
私は岩手の県南内陸部の出身なので、子供時分に海水浴に行くとなれば、決まって国道をほぼ直進で行ける高田松原の海水浴場でした。
海岸線を約2キロに渡って7万本の見事な松が植えられていたその場所も、あの日の出来事ですっかりと変わってしまいました。
実際にその場に行ってみると、変わった.... というか、すべてが失われてしまった喪失感に襲われます。
それでも、この「奇跡の一本松」を見ると子供の頃の楽しい記憶が蘇り、またあの頃の海を、そして陸前高田の町並みを取り戻さねばと心が奮い立つのでした。
燐と立っている一本松も、海水の塩分の影響で根が腐ってしまっているとの事ですが、その苗木をあの名古屋の名物市長が引き取って育ててくれるのだとか。
いつの日か、一本松のDNAを持った立派な松が、この地に再び根付きますように。