1日1景 - a set on Flickr 2010年10月18日
上の写真を見て、何か異様さを感じませんでしょうか?
ここ最近、仙台以北での仕事が多くて、富谷町から大衡村〜大崎方面などに行く機会が多くなっているのですが、稲刈りの終った田園風景を眺めるにつけ、妙な違和感というか... 居心地の悪さを感じておりました。なーんかいずいんですよね。
この日も、仕事帰りに田んぼの脇に車を止め、赤く染まっていく夕日を眺めていたのですが、その光景の異様さに気づき、思わず息を呑みました。
辺り一面を覆う背の高い黄色い花。
その群生の仕方がハンパないんです!!空き地や窪地、川の土手や高速道路の法面などにびっしりと生えているんです!!まるでスピルバーグ版の映画「宇宙戦争」に出て来た赤い植物のようにびっしりと!!これってやっぱり火星人の襲来なんですかー!?
▼川の土手に群生する黄色い花の植物
セイタカアワダチソウ - Wikipedia
北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する。河原や空き地などに群生し、高さは1-2.5m、良く肥えた土地では3.5mくらいにもなる。茎は、下の方ではほとんど枝分かれがなく、先の方で花を付ける枝を多数出す。花期は秋で、濃黄色の小さな花を多く付ける。種子だけでなく地下茎でも増える。アレロパシーを有する。外来種の植物で、もともとは観賞用として日本に入って来たものなんですね。それにしても、少し前まではこんなに沢山群生している様子は見た事が無かったのですが...?
このセイタカアワダチソウには、アレロパシーと言うちょっとした厄介な性質があり、自分の周りの植物を駆逐しながら勢力を拡大していくのだとか....
アレロパシー - Wikipedia
アレロパシー(英語: Allelopathy)とは、ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果の総称。セイタカアワダチソウの場合は、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出しているのだそうです。
▼在来種のススキが駆逐され、外来種が繁殖している様子。
そうかー!いちばん上の写真で感じていた異様さや違和感って、単に黄色い植物がやたらに目立っているって事だけじゃなくて、日本の秋の風景である「ススキ」がほとんど見られないからだったんですね!!夕日に揺らめくのは「黄色い花」ではなくて、やっぱり「ススキ」ですよねー。
また、こんな記事を書かれているブログも見つけました。
▼岩沼物語 セイタカアワダチソウ vs ススキ 静かなる戦い
日本のいたるところで、秋に黄色い花を咲かせるセイタカアワダチソウが増えて、駆除するのに苦労した時代がありました。しかし、最近はセイタカアワダチソウの勢いが衰え、ススキが勢いを盛り返しています。
セイタカアワダチソウは、他の植物の成長を抑制する毒を持っていて、自分たちの勢力を急激に拡大することができます。ところが、あまり増えすぎると毒が自分たちを苦しめることになってしまいます。
ススキは、他の植物よりも効率よく光合成をすることができ、劣悪な環境でも通常と変わらない生活をすることができます。セイタカアワダチソウの勢いが衰えて「力の空白」ができたところに、ススキが真っ先に乗り込んで勢力を回復しているのです。これは、ちょうど1年前に書かれた記事なんですが、仙台より南に位置する岩沼方面では、徐々にススキが勢力を回復させているんですねー。しかも、なるほど!アレロパシーで放出する毒性って、あまり増えすぎると自らの毒で自分たちの力も弱めてしまう「諸刃の剣」な性質なんですね!!
ちなみに、前述の記事を書かれたのは、岩沼在住の早坂健一さんで、Twitterでは相互フォローさせていただいている方なんです。
でも、これだけ増えていると、人間の手で駆除するとか、なんらかの対策が必要な気がしてなりません。「宇宙戦争」だと地球上の微生物に免疫が無くて死滅してしまうのですが、同じ地球上の植物ですしね...w
こんな風情の無い下品な黄色い花なんかじゃなくて、わび・さびの心を持つ日本の原風景、ススキの揺らめく日本の秋に戻って欲しいものです。
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▼早坂さんのブログ&Twitter
早坂 健一 (hayaichi) on Twitter
岩沼物語
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