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2010/04/10

「第9地区」と少年時代の思い出話。

本日より公開の映画「第9地区」を観た。
もうすぐで公開終了間近の「アバター」を、なんとか駆け込みで観た後、時間がたっぷりと空いている事に気付き、それならもう1本!という事での鑑賞となった。

「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンが製作を担当し、第82回アカデミー賞において作品賞を含む4部門にノミネートされ、この手のSF映画としては異例とも言える評価の高さで話題の作品だ。というか、そーゆー事だったらしい...

実は、数日前までまったくのノーマークだったのだが、偶然見ていた朝の「とくダネ!」で小倉智昭氏が珍しくSFものの今作を褒めそやしていたので、元来の流行もの好きな性格に着火していたのだった。もっと正確に言うと、笠井アナの「現代版未知との遭遇」という一言が発火点だったかもしれない。そんなところから簡単に影響を受ける素直な性格なのだw

ストーリーの説明はあえてしない。こういった作品は予備知識少なめでの鑑賞がベストだと思うので。YouTubeのシネマトゥデイのチャンネルで、冒頭の5分間がそのまま公開されているので、気になる方はこちらの動画をチェックされたし。



ご覧の様に、冒頭はインタビューや取材映像、ニュース映像などをつなぎ合わせたドキュメンタリー作品の体(てい)で進行する。ここで現在の状況やエイリアンと人間との係わり等は全て説明される。後半は物語が一転。逃亡劇や銃弾戦、アバターばりのマシンまで登場する。多少は荒唐無稽だが、最後まで楽しめた。

物語の根底にあるテーマは「人種差別」だろう。相手がエイリアンなので、この場合「異種差別」となるが。そのあたりの所見は、すでにTwitterで述べているので、そちらを引用する。
第9地区観了。うーーん...なんと言うか...まあ、言い様によってはアウシュビッツ?舞台が南アだからアパルトヘイトとか、人種差別をテーマにした映画って事にされるのかな?異種への恐れや蔑みが産み出した怒り。戦争やテロへ向かう人間の狂気を、未知との遭遇として表現した作品といった感じ。

島国育ちの我々日本人には、人種差別的なテーマはあまりピンとこない。むしろ「いじめ」の方が身近な問題として当てはまる。筆者自身、幼い頃にいじめられた経験を持つ。もともと色黒で、ガリガリに痩せていた少年時代。エチオピアの貧しい難民に似ているとして、心ないクラスメートから「ピア」というあだ名を付けられ、散々からかわれた。当時、タイムリーに「ブッシュマン」がブームとなり、いじり甲斐に拍車がかかった。劇中こんなセリフがある。
 「だってエビは気持ち悪いし、人間じゃないからね」

 「だってピアは気持ち悪いし、日本人じゃないからね」って言われたのを思い出し、最後までエイリアンの視点でスクリーンに入り込んでいた。人間は、自分と違う者を徹底して排除しようとする生き物なのか?


 アバ ターも、第9地区も、人間って勝手とつくづく思う。主人公よりも、ナヴィ(でしたっけ?)やエビ(異星人を差別的に称する)の方に視点を置いて観ていた。 世界を自分達の都合で改変し、足りなくなれば侵略の繰り返し。まあ、そのおかげで今があるのだが、逆の立場を考えるとぞっとする。
今となっては「いじめ」も良い経験となったと思う。いじめる側よりも、いじめられた側の方が他人の心の痛みや苦しみは良く分かる。それを糧に高校デビューを飾り、今はそれなりになっている。虐げられていたエイリアンは、最後に「3年後」のとある約束をするのだが、きっと約束は守られるだろう。

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